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2013年5月14日火曜日

女王の日

アムステルダムからこんにちわ。
今日は、とってもおめでたいお話・・・・。

4月30日は、オランダは「女王の日」という祝日でした。
オランダでは、この日だけは、家の前や道端で誰が、何を販売しても良い・・・・とされています。
家にある使わなくなった物や衣服、或いは手作りのカップケーキやスナック、或いはただ単にビールやコーラなどを売る人、町中が俄か縁日のようになります。
マダム・タッソー美術館も特別の飾りつけ

ウィレム・アレクサンダーとマキシマのそれぞれの頭文字をモチーフにしたのぼり
町中のあちこち・・・橋やカフェ、ホテル、レストランの店頭、至る所で風にはためいていました


また、オランダのナショナルカラーであるオレンジ色に身を包んだ人が集まり、飲んで踊って、歌って、騒いで・・・この1日だけはお祭りムード!


オレンジ色グッズは町中の至る所で売られています

アムステルダムの市内もトラムなども含めて交通規制が敷かれ、道中にオレンジ色の人々が溢れます。
オレンジ色の帽子を被る人、オレンジ色のサングラスを掛ける人、オレンジ色のTシャツを着る人、はたまたオレンジ色の着ぐるみに身を包む人・・・・。それはそれは賑やかです。
ダム広場に面して立つデパート「バイエンコルフ」
特別な日を祝う為に「王冠」を被っています

ユリアナ女王が自身の71歳の誕生日に退位し、ベアトリクスが即位した際、この「女王の日」だけはそのまま4月30日にとどまりました。
ベアトリクス前女王の誕生日がまだ冬の1月下旬である為、国民が楽しめる女王の日にするにはちょっと無理がある・・・という判断からでした。
そのベアトリクスも今年1月末に「女王の日」を持って退位、ウィレム・アレクサンダーが123年ぶりの王として即位されました。

という事で、今年の「女王の日」は特別な日となりました。
オランダ王家と親しい関係にある各国王室、皇族が新王・ウィレム・アレクサンダーの即位式に参列されました。しかも、欧州王族だけでなく、中東、アジア、日本からもたくさんの王族、皇族が参列されたのです。
日本からも皇太子殿下、雅子妃様がいらっしゃり、特に日本のメディアでは雅子様の11年ぶりの海外ご公務として注目されました。(日本だけでなく、オランダの新聞でもそれを伝える記事が掲載されました。)

・・・・ここからは実況中継です。

ベアトリクス前女王の退位、並びにウィレム・アレクサンダー王の宣誓式はダム広場に面した王宮で執り行なわれました。
この季節、特にいつもは観光客で賑わうダム広場もこの日ばかりはオレンジ色に身を包み、新しい王の即位を祝おうという人々であっというまに埋め尽くされました。
宣誓式は10時からだったのですが、8時前には既に、立錐の余地もない程に人々でいっぱいになりました。この日に限らず毎年「女王の日」にはオレンジ色の帽子が無料で配られるのですが、今年は「王の即位式」と重なった為、空気で膨らませるビニール製の王冠やボール紙の王冠、さらに小旗など無料で配られたアイテムはいろいろありました。
今年に配られたオレンジ色グッズと
即位式を祝う小旗

ダム広場の戦没者慰霊塔の横にはテレビ中継用の即席のスタジオが造られ、さらには高いクレーンの間に張られたワイヤーにセットされた移動式のテレビカメラ・・・・、普段ではまったく見られない光景です。(新教会からダム広場を斜めに横切って、ダムラック入り口まで中空を走るテレビカメラでした。)さらに、王宮正面には隣の新教会まで続くカーペットを敷き(もちろん、屋根付き)の廊下が造られました。正面入り口脇には楽隊が陣取り、音楽でお祝いムードを盛り上げます。
広場の両脇には大きなスクリーンが設置され、テレビカメラが捉えた宣誓式や即位式などの模様、さらには上空を飛ぶヘリコプターからの映像、ダム広場上のテレビカメラからの映像が次々に映し出されます。
仮説のスタジオ
日本からのテレビ局もここから宣誓式、即位式の中継をしていました

10時ちょうど、大きなスクリーンには王宮内「モーゼの間」が映し出されます。既に部屋の中には立会い人になる人々が真ん中に置かれた大きな楕円のテーブルを囲むようにベアトリクス、ウィレム・アレクサンダー、マキシマ、お揃いの黄色いドレスに身を包んだ3人の王女たちのお出ましを待っています。部屋に入るベアトリクス前女王の姿が映ると広場中に大きな歓声が沸きあがりました。



みながテーブルにつき、ベアトリクス前女王の顔がアップで映し出されると、王宮前のダム広場は割れんばかりの歓声、そして拍手で包まれます。


ベアトリクスがマイクを通してコメント、宣誓、それに続いて署名をする姿を、ダム広場に集まった25,000人の人々が固唾を呑んで見守ります。
(ちなみにダム広場は南北に100m、東西に200m。もちろんその広場に繋がる道にもたくさんの人々が詰め掛けたのは言うまでもありません。)
署名は新王となるウィレム・アレクサンダー、王妃となるマキシマ・・・・そして立会人へと続きます。
宣誓式が終わると10時半になると、ベアトリクス前女王、ウィレム・アレクサンダー王、そしてマキシマ王妃の3人がダム広場に向かって張り出すバルコニーに姿を現しました。

ベアトリクスを真ん中にして3人は立ち、そしてベアトリクスの「新しい王、ウィレム・アレクサンダー王です」というスピーチとともに、今まで以上の大きな歓声、拍手が辺り一帯を覆います。
ウィレム・アレクサンダー王のベアトリクス前女王の偉業・功績を讃えるスピーチの後、ベアトリクスは宮殿内に退き、代わりに3人お揃いの黄色いドレスに身を包んだ王女たちが姿を現しました。
これは新しい王室を象徴するような光景となり、ダム広場に集まった人だけでなく、オランダ各地の広場などのイベント会場、さらにはテレビの前でその瞬間を迎えた人々、とにもかくにもオランダ国中の人々が拍手を贈った事でしょう。
各テレビは、新しい王族が揃って王宮のバルコニーにお出まし、手を振る姿を何回も何回も放映しました。


午後には、隣の新教会で、ここはベアトリクスも即位式を行なった場ですが、即位式が執り行われました。
国会議員、王国官僚、そして、招待された各国賓客などが見守る中での厳かな儀式となりました。
日本からは皇太子夫妻が参列されました。この即位式の模様も、ダム広場の大きなスクリーンに映し出され、午前に引き続き、たくさんの人々が新王の即位式の模様を見守っていました。

ダム広場、ゴッホ美術館や国立博物館(ライクス・ミュージアム)などがあるミュージアム広場、レンブラント広場、その他アムステルダム市内のあちこちの広場では式を映し出すスクリーンが置かれたり、イベントを行なう舞台が設置されたり、いつもよりも賑やかで、ひときわお祝いムードいっぱいの1日を演出していました。

大きなスクリーンと舞台で一層の盛り上がりを見せるミュージアム広場
(夜にはアンドレ・リュウのミニ・コンサートも開かれました)

ベアトリクス前女王、ウィレム・アレクサンダー王、マキシマ王妃
(コンセルトヘボウ)


そんな国を挙げてのお祝いムードを「どこ吹く風?」と言わんばかりに、運河の際、家の前、道端で物を売るのに勤しむ人々の姿も見受けられました。




来年からは4月30日「女王の日」は、ウィレム・アレクサンダー王の誕生日である4月27日に「王の日」が取って代わり、国中で祝われる事なります。
もっとも、来年は日曜日に当たり、その振り替え休日が前日の土曜日という・・・・、あまり嬉しくないカレンダーになってしまいましたが・・・・。
来年の新しい「王の日」も、今までの「女王の日」同様、人々はオレンジ色に身を包み、お祭りムードいっぱいに楽しむ日となる事でしょう。





トラムなども交通規制を受けるので、ちょっと不便な面はあるのですが、1年に1日しかない特別な日です。
もちろん、みんながイメージするオランダの風景も楽しめる春の日です。
一度オランダに来た事がある人でも、違った顔を見せるオランダ、違った顔を見せるアムステルダムを楽しめる事請け合いです。
来年春にはオランダへ・・・とお考えの方、『4月27日』前後・・・・が“狙い目”です。

予断ですが、アムステルダム支店の隣、ホテル・オークラ・アムステルダムは各国からの来賓の投宿ホテルとして完全貸しきり状態。必然と・・・・警備も物々しいものになりました。(日本の皇太子夫妻もお泊りになられました)

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